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福島県奥会津の山村で「今日のよかったこと」を毎日描いています。 (新潮文庫『マイブック』にボールペン・色鉛筆)


by ハル
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「お稲荷さん」


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10月9日(月)晴れ 朝6時18℃ 暑い

もうずいぶんと昔のこと
私が病気になって
なかなかよくならないので
義母が
「カミサマ」に
おうかがいをたてたことがありました

「カミサマ」は
それは山の中の
誰にも世話されない
お稲荷さんがさわってる
と言ったそうです

そのころ私は
地元の旧い神仏を
訪ね歩いては
聞き書きをしていました
初めて会った小さな神さま(祠)にも
ポケットに入れて持ち歩いていたお菓子や
道ばたの草花をすこし
お供えしました

「カミサマ」は言いました
誰もかえりみなくなった
さびしいお稲荷さんが
私に手を合わせてもらって
とても喜んでいる
そうしてもっともっと
とおなかをすかせて
私を呼んでいるのだと

義母は
私が元気になるようにと
毎年いまごろ
山の神さまに
油揚げをお供えしてくれていたそうです

素朴な義母のこころを
笑うことなどできません

偶然
油あげを買ってきたので
義母は明日
お供えに行ってくれるそうです

もうとうに
山には登れないので
ふもとの草むらに置いて




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Commented by fusk-en25 at 2017-10-10 18:06
私の祖母は神社の生まれでした。
どんな小さな木であろうと注連縄が張ってあれば手を合わせ、
道端の小さな仏様にも話しかけ。
いつも神仏と暮らしているような人でした。
この中の「カミサマ」のような人とも付き合ってもいて。
ただ不思議なことに無宗教に近い私に神仏を信じなさいとは一度も言わなかった。
そして早くに父を亡くした私を愛しんで、
「私の業」は彼女が全部背負って持っていくと言っていました。
祖母が亡くなってからの私は、そう言えば「幸福」ですね。
なんて言えば「今頃判ったのか?」と祖母なら笑いそうですが。
Commented by haru_rara at 2017-10-10 20:43
☆fuskさん
「いつも神仏と暮らしているよう」だったおばあさまに、当地の古老の姿が重なりました。
頭を垂れてお天道様を拝み、「山の神様」にお参りしてから山に入るなど、この地の人たちはごく当たり前のこととして神様を感じながら暮らしています。

私を可愛がってくれた祖母はカトリックの信者でしたが、旅先で訪ねた神社やお寺、道端の祠にも手を合わせる人でした。
それは宗教というより、誰かが大切にしているものに対する敬意だったのかもしれません。
そんな祖母を見て育ったからか、プロテスタントのクリスチャンの私も、奥会津のひとの何にでも神様、仏様を見て大事にする姿に自然とならう気持になったのだろうと思います。

信じなさい、と言われなくても、そして実際に特定の何かを信じなくても、愛情に結ばれた人の生き方のようなもの、心は伝わってゆくのだなあと思います。

「おめぇは憑かれやすいから知らない神様はもう拝むなよ」って、義母にはずいぶん心配されました(笑)
Commented by hanamomo08 at 2017-10-10 22:50
いいお話をありがとう。
私の知り合いの同年齢のお坊様は、宗教は突き詰めると皆一緒だよと言います。
皆がそう思ったら戦いなんてなくなるのにね。

ご実家の御両親もお元気でよかったですね。
お父様と食べたうなぎ、美味しかったでしょうね。
Commented by noburinng at 2017-10-11 11:44
お義母さまのお話を伺って、何だか遠野物語を思い出しちゃいました。
自然を敬い、自然とともに暮らす方々の素朴な信仰心。

お義母さまのハルさまを心配されたお言葉も、
とても温かいですね。
Commented by haru_rara at 2017-10-11 20:15
☆momoさん
こちらこそお読みくださってありがとうございます。
「宗教は突き詰めると皆一緒」―私もそう思います。
自分と違うものを排除しようとする戦いは本当に悲しいですね。

ありがとうございます、色々と心配は尽きませんが、こうして両親と一緒に過ごせて幸せに思います。
父も前より食欲が出て、家ではあまり食べない母も好物のうなぎを喜んでくれて嬉しかったです。
Commented by haru_rara at 2017-10-11 20:25
☆noburinngさん
『遠野物語』、まさにその会津版です!
数年前、奥会津の人たちから聞いた様々な不思議な実話をまとめた『会津物語』という一冊が出ました。
キツネにばかされた話などもよく聞きます。
今はめったにキツネも見かけなくなりましたが、それだけ人間のほうが自然界と離れてしまったのだなと思います。

山で生れ育った義母からは本当にいろいろなことを教えてもらっています。
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by haru_rara | 2017-10-09 20:10 | 10月 | Comments(6)